こんにちは。
暦の上では春になったとはいえ、まだまだ寒い日が続き、内陸部では現在も雪が多いですね。
そんな中、2月12日(土)に、長岡市周辺で海岸を巡りながら海鳥を観察する『冬の海鳥探鳥会』が開催されました。
悪天候が多いこの時期ですが、不思議なことに、海鳥探鳥会の開催日は毎年好天に恵まれます。
今年も、穏やかな日差しのなか、ゆっくりと探鳥を楽しむことができました。
探鳥会ではまず、出雲崎町にある天領の里に集合し、海辺で探鳥を行いました。
近くにいたカモメ類を観察していると、上空で雁行して飛んでくる鳥の群れが現れました。
双眼鏡で見てみると、それはヒシクイでした。
ヒシクイの雁行は、水田地帯では良く見かけますが、海辺では比較的珍しいです。
もしかすると、“渡り”なのかもしれません。
しばらく探鳥したのち、次の目的に移動しました。
※雁行とは、マガンやヒシクイ等の渡り鳥が逆V字の隊列を組んで空を飛ぶ姿をいいます。
次の探鳥場所は、柏崎西山町にある石地海岸です。
夏は海水浴客で賑わう海岸ですが、冬は鳥たちで賑わいます。
地形的な特徴もあるのでしょうが、石地海岸では、カモメ類が少ない代わりにカモ類やシギ・チドリ類が多く生息しています。
この日も、ヨシガモやヒドリガモ、ハマシギなどを観察できました。
ヨシガモはオスの金属光沢のある頭が美しいカモで、海鳥探鳥会では常連です。
磯場の波打ち際にいたハマシギは、数百羽が群れをつくって休んだり、食糧を求めて動き回っていました。
しばらく観察していると、ハマシギが突然バッと飛び立ちました。
「何事だろう?」とあたりを見回すと、ハヤブサがハマシギの群れに突撃して来ました。
しかしハマシギは逃げるのが上手で、ハヤブサの狩りは失敗してしまったようです。
世界最速の鳥といわれるハヤブサですが、やはり失敗することもあるのですね。
その後ハヤブサは、悔しそうに飛び去っていきました。
石地海岸ではそのほか、ほぼ全身が黒いクロサギや、同じく全身が黒くウミウより体が小さいヒメウなども観察できました。
(距離が遠かったため、写真はうまく撮れませんでした)
最後は寺泊水族博物館まで移動し、おもにカモメ類を観察したのち、解散となりました。
毎年の海鳥探鳥会ではイソヒヨドリが出てくれるのですが、残念ながら今年は(車での移動中を除き)現れませんでした。
生き物が相手ですので、期待している鳥が狙った通りの場所や時間には現れてくれません。
でも逆に、今回のハヤブサのように、思いがけない場所で珍しい鳥に出会うこともあります。
そんなところも、探鳥の魅力の一つですね。
次回は、令和4年3月19日(土)に開催される『冬鳥さよなら探鳥会』です。
信濃川河川敷にて、春に向けて北国に去っていく冬鳥たちを観察します。
ご興味のある方は是非ご参加ください!
※探鳥会について、くわしくはこちらをご確認ください。
【出現種】
《石地海岸》
ヨシガモ、ヒドリガモ、ハマシギ、ハヤブサ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ウミウ、ヒメウ、クロサギ、オオセグロカモメ、スズガモ、シロチドリ、トビ、ハシボソガラス 14種類
《出雲崎~寺泊海岸》
ヒシクイ、ウミネコ、オオセグロカモメ、セグロカモメ、ワシカモメ、ハマシギ、オナガガモ、スズメ、イソヒヨドリ 9種類
(H.T.)
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