9月9日(土)、リバーサイド千秋近くの信濃川河川敷にて、市民探鳥会が開催されました。
暑さのピークが過ぎたとはいえ、まだまだ暑い9月ですが、27名もの方たちが参加してくださいました。
この時期は野鳥たちの鳴き声が少なくなり、代わりにセミの鳴き声が賑やかで、野鳥を耳で探すのは難しそうです。
そんな中でも、野鳥たちが元気に、その姿を見せてくれました。
河川敷に降りて信濃川に向かって道を歩きだすと、道沿いの林でシジュウカラやコサメビタキが出迎えてくれました。
コサメビタキは、グレーの体色に大きな黒目が特徴の、可愛らしい野鳥です。
ありがたいことに、これまでの探鳥会でも何度か姿を見せてくれました。
山地の林に多い野鳥ですが、今の時期には河川敷でも見かけることがあります。
上空ではツバメに混じって、ショウドウツバメが飛んでいました。
ショウドウツバメは、漢字で書くと“小洞燕”。
文字通り、土の壁に小さな巣穴(小洞)を掘って、集団で繁殖する習性があります。
この時期にしか出会えない旅鳥で、胸のT字模様がトレードマークです。
普通のツバメはこのT字模様が無く、喉~額にかけて赤茶色です。
さらに、ツバメの尾羽は燕尾(えんび)と呼ばれる、長くて切れ込みの深い二股形ですが、ショウドウツバメの尾羽は短いです。
注意して見なければ、見逃してしまうかもしれませんね。
川近くの草地では、ムクドリの群れに混じってコムクドリが飛んで来て、キリの木に群がっていました。
葉についている虫を食べているのでしょうか。
一見、キリの実を食べているようにも見えますが、オレンジ色に見えるものは実ではなく、来年咲く花の花芽(つぼみ)です。
この時期から、早くも来年のつぼみができているのですね。
コムクドリは子育ての時期が終わり、幼鳥たちも自分で餌をとり始めている頃でしょうか。
コムクドリが食事中のキリの近くでは、オナガの群れが鳴き声を上げながら、飛び回っていました。
水色の羽と頭の黒いベレー帽がオシャレな野鳥です。
群れの中には、頭に白い羽が残る幼鳥も混じっていました。
この場所に限らず、信濃川河川敷ではオナガが多く見られます。
更に、川から遠く離れた住宅地に飛んでくることもあります。
生息域が広いようですね。
川沿いの道を歩いていくと、近くの草の先にカワラヒワが止まっていました。
色鮮やかな成鳥です。
夏羽から冬羽への生え変わりの時期のようで、羽が少しボサボサしていました。
カワラヒワなど、ヒワ類がもつ、このような柔らかい黄色のことをヒワ色と言うそうです。
夏の暑さが落ち着いてきて、これからの季節は、タカの渡り、平地に降りてくる漂鳥達、冬鳥の飛来と、楽しみがだんだんと増えて来ます。
夏場は暑く、野鳥の少なさもあって、探鳥から離れていた人も多いと思います。
でも、これからの季節、また次第に野鳥たちの世界が盛り上がってきます。
ぜひ、自然のフィールドに出掛けてみて下さい!
次回の市民探鳥会は、10月14日(土)です。
ご興味のある方は、ぜひご参加ください!
【出現種】
ハクセキレイ・シジュウカラ・コサメビタキ・ホオジロ・アオサギ・ツバメ・ハシボソガラス・カワウ・オナガ・モズ・ヒヨドリ・キジ・ダイサギ・ショウドウツバメ・ムクドリ・コムクドリ・トビ・スズメ・カワラヒワ・キジバト・カルガモ 【計21種】
(H.T.)