2月10日(土)に、海岸を車で巡りながら海鳥を観察する『冬の海鳥探鳥会』が開催されました。
日差しが暖かく風もほとんど無い、絶好の探鳥日和の中、ゆっくりと探鳥することができました。
ウミネコが上空を飛び回る中、イソヒヨドリが目の前の岩場に飛んで来て、餌を探して動き回っていました。
イソヒヨドリはいつも色鮮やかな鳥ですが、この時期は、ちょうど冬羽から夏羽に生え変わっているためか、ところどころ灰色の羽根が残っていました。
近くでは、セグロセキレイも、「チチッ、チチッ」と鳴きながら飛んでいました。
近くの漁港に目を向けると、船揚場のスロープの上に真っ白い鳥がいました。
双眼鏡でよく見てみたら、真っ白い鳥は、なんとシロカモメでした!
普段は出会うことも稀な鳥なのに、探鳥会に現れてくれるとは、本当にありがたいです。
そのあと漁港まで近づいて、参加者全員がフィールドスコープ等で、じっくり観察することができました。
観察ポイントを移動して、今度は海水浴場に来ました。
でも、いつもいるはずのカモたちが全然いません。
おかしいと思ってあたりを見回すと、岩ノリを採る人や釣り人達が多くいました。このため、カモたちが嫌がって、移動してしまったようです。
この場所は本来、ヨシガモやヒドリガモなどで賑わっているポイントです。
好天に恵まれたことが、裏目に出てしまうとは…
(ちなみに、探鳥会が終わった後、再びこの場所まで戻ってみたら、釣り人達はいなくなっており、ヨシガモやヒドリガモの群れが戻ってきていました。)
堤防の上から遠くの磯場を探すと、大きな岩の上に多くの海鳥たちが集まっていました。
いたのは、ウミウ、ヒメウ、ワシカモメ、ハマシギの4種です。
波が高くなってきたので、一旦、岩の上で休息していたのかもしれません。
ヒメウは、数年前の探鳥会では1羽見られるかどうかでしたが、毎年徐々に、観察できる数が増えているように思います。
個体数自体が増えているのでしょうか。
海水浴場を離れ、海辺の広場に来ました。
そこでは、橋の欄干や消波ブロックの上に、ウミネコ、セグロカモメ、オオセグロカモメ等がおり、彼らに紛れて、ワシカモメの姿がありました。
数が少なく、例年見つけるのが困難なワシカモメですが、今年はあっけなく見つかり、ブロックの上で休んだり、私たちの周りを飛び回ったりしていました。
最後の探鳥ポイントに移動すると、上空を多くのカモメが飛んでいて、そのまま消波ブロックの奥の方に移動しました。
群れの中に珍しいカモメが紛れているのかもしれないとも思ったのですが、ここまで数が多いと、さすがに探す気にもなれません。
このポイントは、運が良ければ、魚を狙ってミサゴが飛んで来てくれるのですが、残念ながら、今回は現れませんでした。
今シーズンはカモメ類が少ないという事前情報があったので、探鳥会がさみしい結果になるのではないかと心配していましたが、実際に探鳥してみると、昨年よりも多くの野鳥達に会うことができました。
何といっても、今回の探鳥会のハイライトは、やはりシロカモメです。
何が起こるかわからないのが、探鳥の醍醐味ですね。
ご参加された皆様、ありがとうございました!
次回の探鳥会は、3月16日(土)の『冬鳥さよなら探鳥会』です。
信濃川の河川敷にて、北国に帰る前の水鳥たちを観察します。
ぜひご参加ください!
【出現種】
ウミネコ,オオセグロカモメ,セグロカモメ,シロカモメ,ワシカモメ,ウミウ,ヒメウ,ヒドリガモ,イソヒヨドリ,ムクドリ,ハクセキレイ,セグロセキレイ,ハジロカイツブリ,カンムリカイツブリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス,ハマシギ,ジョウビタキ,トビ,クロサギ,モズ,ドバト,スズメ 計23種
(H.T.)
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渡辺 央 (月曜日, 12 2月 2024 08:59)
冬の青い空、穏やかな海、ウミネコの切ない鳴き声、どれも春の兆しを感じさせる風景です。今冬はカモメ類が少ないと言われる中で今回、セグロカモメ、オオセグロカモメ、ワシカモメ、シロカモメの大型カモメ4種が揃って見られたのは最高でした。これから3月にかけてカモメ類はもっと多くなってくると思いますし、北へ帰るアビやオオハム、アカエリカイツブリなども出るかもしれません。もうしばらく、暖冬の海の探鳥をお楽しみください。